起床。9時の始業時間に間に合うギリギリの時間。
Interview
Kaito Nomura
海運の未来を拓く、
自動カイトシステム
“Seawing”の開発を担う。

技術
野村 海斗
性能技術グループ
Seawingチーム
2020年新卒採用
(2024年取材当時、入社5年目)
Profile
海外に関わりのある会社の一つとして海運業界を志望し、最も自身に合う会社だと感じた当社へ入社。入社後、造船技術グループに配属。
3年間、新造船の計画に従事した後、先進技術グループに異動し、現在に至る。

01
基本的な船舶の
知識・技術を身につけた上で、
先進技術の開発に挑む。
Q. 当社への入社を決めた理由を教えてください。
大学では機械工学を専攻。そのため私の周りの同級生たちの多くはメーカーに就職しました。しかし、メーカーだと完成製品のごく一部の設計にフォーカスするような仕事が多いのかなと思い、それだと自分としては楽しくないなと……。そこで、最初から、製品全体が見られるような仕事があればと思っていたところ見つけたのが、技術面に携わることができ、かつ最初から全体を見ることのできる、海運の技術職でした。
中でも当社を選んだ理由は、ジョブローテーション制度により、技術職として入社しても、営業部門やコーポレート部門に異動する可能性があること。技術職以外の経験を積むことが、技術職として成長する上でもプラスになると感じました。
また、元々、何か一つのことを突き詰めるよりも、幅広い経験がしたいタイプでもあり、自分に向いている職場だと確信しました。
Q. 入社後からこれまでのキャリアと、
現在の仕事内容を教えてください。
入社後、造船技術グループに配属され、3年間にわたり新造船の仕様検討、品質管理に携わりました。そこで複数のプロジェクトに並行して参画する中で、新造船建造の様々なフェーズを経験。この3年間で基本的な船舶の知識・技術を身につけることができました。先進技術グループに異動したのは4年目。現在は自動カイトシステム“Seawing”の開発に携わっています。
“Seawing”は風力により船舶の推進を補助するシステムであり、当社はこれにより環境負荷低減を目指しています。
数年前から開発が始まっており、今は実用化の一歩手前まできており、試験運航に取り組もうとしているフェーズ。そうした中、私はどの船に“Seawing”をどのように搭載するのか等の検討を進めています。




02
全体を見渡しつつ、
高い専門性を持つ
各関係者と連携し、
プロジェクトを推進していく。
Q. 業務の中で難しさを感じる点はどんなところですか?
“Seawing”の開発プロジェクトには数多くの関係者が関わっています。例えば自動カイトシステム自体を設計しているのは、当社のグループ会社であるフランスのメーカー、船舶に搭載するにあたってその図面を作成するのはエンジニアリング会社、実際に工事を担うのは造船会社です。これら社内外すべての関係者の方々と協力しながら、技術面はもちろん、スケジュールや予算なども含め、プロジェクト全体を見渡して推進していくのが私の役割です。
そこで難しさを感じるのは、技術的に専門性の高い関係者それぞれに向けて、都度、必要な情報を伝えていかなければならないこと。
そのため、全体の概要をつかんだ上で、関係者とのコミュニケーションを密に取り、それぞれにとって今、必要な情報は何かを見極めるよう努めています。そうすることがプロジェクトの推進力になっていきます。
Q. 自分の自信につながった出来事はありますか?
はい。 “Seawing”搭載船が、定期検査メンテナンスで中国の造船所に入った際、一人で現地入りし、3週間にわたって仕事に取り組んだことです。期限は3週間。1日でも遅れてしまうと、営業面での損失が発生してしまうため、どんな問題が持ち上がっても解決して、進めなければなりません。
しかし、「○○が壊れて代替品がほしいが、この日までに届かない」「これは次の何年後かの定期検査に回そうか」など、次々に当社として判断しなければならない局面が訪れます。そんな中、フランスから来た“Seawing”のエンジニア、中国の造船所の方々、船の修繕を担う監督などと協働し、一緒に様々な問題に向けた対策を考え、メンテナンスを無事終わらせたことは、大きな自信につながりました。
この自信を糧に、“Seawing”開発プロジェクトを成功させることが目下の目標。さらに先進技術開発チームにいるうちに、自分として新しい案件を生み出せればと考えています。


一日のスケジュール
Schedule
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8:15
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9:00
出社。新技術のタネがないか、業界紙をチェック。
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10:00
展示会で出会った企業と面談。船舶への技術転用を探る。
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11:30
同僚と会社の近くでランチ。混雑を避けるために早めに向かう。
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15:00
社外へのプロジェクト説明資料の作成。
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17:00
欧州が始業したタイミングで、フランス現地法人の週例ミーティングに参加。
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18:00
ビールのことで頭がいっぱいになってきたので、退社。

私の世界の“つなぎ方”

“Seawing”開発プロジェクトに関わる関係者は世界中にいます。しかし、そんな中でも、新しい情報を得るために直接会いに行き、話を聞くことを大切にしています。すると必ず、自分が想像していた以上の情報が得られるからです。
この1年は特に海外出張が多く、IMO(国際海事機関)のロンドンでの会合に出席したり、その他、世界中のメーカーやエンジニアリング会社、造船所とコンタクトを取るために、中国、韓国、フランス、スペインへも出張。この取り組みはきっと自身の成長にもつながると思っています。
