起床。朝の家事に追われつつ、バタバタと出社準備。
Interview
Seigo Tanabe
温室効果ガス排出量
ネットゼロに向けて、
新燃料の探究と
安定供給確保に挑む。

燃料調達
田邉 誠吾
原油・製品グループ
燃料調達チーム
2005年新卒採用
(2024年取材当時、入社20年目)
Profile
海外で働くことのできる業界で、かつ、扱っているものに愛着の持てる仕事がしたい。その思いにマッチしたのが、海運業界だった。
その中でも当社を選んだのは、比較的、少人数の組織の中で様々な人と密接に関わって仕事ができると感じたから。
入社後、油槽船グループに配属。その後、複数の異動を経て、2020年にチーム長に就任し、今に至る。

01
チーム長として、
日々、そして将来の
運航に責任を持つ醍醐味。
Q. 入社してからこれまでの歩みを教えてください。
入社後、油槽船グループ 燃料チームを経て、同グループのLPG船チームで運航、営業を担当。その中でも運航業務は、船会社の基礎となる業務であり、どの部署で仕事をしても必ず関わってくる知識、経験となるので、自身のキャリアにおいて重要な経験となりました。
その後、コンテナ船事業の集荷及び集荷代理を行う川崎汽船グループ会社の“K”LINE JAPANに出向し、約4年間、日系企業を顧客とした日本又はアジア地域から北米に向けて輸送されるコンテナの一本当たりの運賃を決定する業務(プライシング)に従事しました。
2014年〜2018年まではシンガポール現地法人の“K”LINE PTE LTDにおいて、アフラマックスタンカーやケミカルタンカーの運航、営業に従事。このシンガポール駐在時代は、幅広い業務に加え、入社年次以上の大きな職責も与えられ、自分のキャリアの中でもとりわけ学びが多い期間でした。主担当として、今後のケミカルタンカー事業についての方針決めや、現地スタッフの採用やマネジメントにも関わる中で自分自身成長する機会に恵まれました。
2019年からは現部署で当社運航船向けの燃料調達に携わり、2020年からチーム長に就任し現在はチームマネジメントの立場から当社運航船向けの燃料調達、当社運航船の脱炭素化に向けた新燃料調達に携わっています。
Q. 現在の仕事内容を教えてください。
>燃料調達チームの日々の業務として最も大きいのは、当社運航船向けの燃料調達です。この業務における私のミッションは、実際に燃料手配を担うチームメンバーと協力して日々需給バランスを見ながら当社運航船向けに高品質で競争力のある燃料の安定供給を実現していくことです。
さらに私たちが注力している業務は、当社が2050年目標として掲げる「GHG(温室効果ガス)排出量ネットゼロに挑戦する」に向けた、脱炭素化に貢献する新燃料の調達及び市況、市場調査です。具体的には、脱炭素に貢献すると考えられるバイオ燃料やLNG燃料の調達、将来的に舶用燃料として使え脱炭素に貢献すると考えられる新燃料の情報収集や、サプライヤーとの関係構築、ネットワークづくりを行っています。私は2005年入社当初、燃料調達の実手配を行っていましたが、その当時はほぼ100%重油でした。
しかし現在では、LNGやバイオ燃料の調達が始まっており、メタノールやアンモニアなどの燃料導入も検討中。こうした取り組みをさらに加速させることが当チームに求められています。




02
世界中のサプライヤーと
協働しながら、
日々計画し案を練っていく。
Q. 新燃料探索の業務で、印象に残っていることは何ですか?
2021年にバイオ燃料のトライアル使用をスタートさせたことです。バイオ燃料使用のメリットは、重油を使用して航行している船舶の主機を改造せず、そのままドロップインで使用できること。GHG排出量削減に向けて導入しやすく、トライアル使用に挑戦する価値もある。そう考えましたが、問題は過去に使用実績がなく、品質面から安全に使用できるのかわからないことに加え、追加コストも発生してくることでした。
そのため、トライアル使用を始めるにあたっては、船舶管理会社や営業部門、社内の関係部署と話をし、さらに必要に応じて担当部署から社外関係者と話をしてもらい、調整を重ねていきました。その結果、2021年のバイオ燃料トライアル使用が実現し、今ではトライアル段階も終え当社運航船で重油代替として通常使用をしています。
バイオ燃料をはじめとする新燃料は黎明期であり重油の供給と比較してサプライチェーンが未だ脆弱となっています。その中で安定供給を確保できているのはチーム全体としての成果だと思います。
Q. 現在の仕事のどんなところにやりがいを感じますか?
新燃料の調査、調達は、様々なサプライヤーと協業しながら進めることになります。
どこで供給を受けられるのか、いつから供給を受けられるのか、どのように新燃料を確保していくのか、本船で安全に使えるかどうか等をサプライヤーと一緒に検証していきます。
その過程で日々勉強し、新たな知見を得られることがやりがいになっています。
協業するサプライヤーは全世界にいるため、定期的な海外出張は必須。アジアやヨーロッパ、北米の現地のサプライヤーと直接話をしたり、マーケット情報を聞いたり。あるいは、メタノールやアンモニア、バイオLNGなどの新燃料が将来的に安定供給できるのかどうか、実際需給バランスはどうなっているのか……。そうして入手した情報をもとに、どのようにして将来の安定供給の確保に結びつけていくか、日々計画し、案を練ることに面白さを感じています。


一日のスケジュール
Schedule
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6:30
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9:00
出社。業界紙やマーケットレポート、メールに目を通す。
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10:00
社内打合せ。関係部署と、今後の燃料方針を考えていく上での情報交換。
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11:00
チーム内での打合せ。チーム員からの相談、業務の進め方についてアドバイスを行う。
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12:00
昼食。溜まったメール処理に追われるため、弁当を買ってきて早めに済ませる。
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13:00
来客。バンカー売主との面談。足元のマーケット動向に加えて、脱炭素に向けた新燃料についての情報交換。
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15:00
来客。シンガポールからバンカーサプライヤーが来日中。シンガポール港のバンカーマーケットについて様々な情報交換。
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17:00
ウェブ面談。欧州マーケットがオープン。欧州のバンカーサプライヤーとオンラインで面談。
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18:30
午後の溜まったメールを確認、対応した後、空腹感と共に退社。

私の世界の“つなぎ方”

新燃料に関する情報収集や、サプライヤーとの関係づくりに向けて、世界中の人とやりとりをする中で大事にしているのは、Face to Faceで会うことです。
オンラインでのコミュニケーションも一般的にはなっていますが、やはり相手とFace to Faceで会話することによって生きた情報を得ることができますし、相手にもその熱意は必ず伝わります。
そうして関係性の深化を図っていくことが、私たちが求める成果に近づく一つの方法だと考えています。
