管理
田中 大輔
財務グループ
入社11年目
DAISUKE TANAKA
※所属部署・入社年次・記事内容は、取材当時のものです。
財務の仕事
財務戦略の策定
財務グループが司るのは会社の「お金」の調達と管理。例えば、船の建造には多額の資金が必要になるため、一部を借入によって賄う。いつどのような資金支出(投資など)があり、どのような資金調達が必要になるのか、そしてどこから調達するのか、経営企画グループとも連携を取りながら、計画を立てていく。
資金計画に基づいた資金調達
金融機関と折衝し、できる限り好条件での資金調達を目指す。船の建造に際して借入をする際には、マーケットの情報や船種毎の業績動向、さらには当社全体の事業計画など、当社の魅力(健全性)をアピールしながら交渉していく。多額の借入となる場合が多く、日頃のコミュニケーションを通じて信頼関係を築いておくことが肝要。
債務管理
借りたお金は返さなければいけない。さまざまな借り入れがあり、返済や利息支払いのタイミングもそれぞれ異なるため、チームで連携して抜け漏れが無いように注意して管理している。借入金の返済計画も資金計画に織り込み中期的な資金の動きもチェックしている。
情報収集・営業サポート
将来借り入れを起こした場合の金利や為替の水準を試算し、最新の金利動向や、今後の市場の動きで注意すべき点などをチェック。ときには金融機関から情報収集し、営業部門に発信している。必要に応じて変動金利を固定金利にする提案を行ったり、金利や為替の話をわかりやすく伝えることで営業サポートにつなげている。
CAREER
学生時代
大学ではロシア文学を専攻。体育会ラグビー部で副将を務める。昼は楕円球を追いかけ、夜は本を読みふける明るいのか暗いのかよくわからない学生生活を送る。
入社〜現在
入社以来、自動車船事業に9年間携わり、アフリカ航路、中近東航路の本船オペレーションに携わったほかロンドン、ハンブルクオフィスにも勤務。大西洋航路の航路経営を担った。2020年7月より、財務グループで資金調達業務を担当している。
今後
財務・会計・経営に関する知識を貪欲に吸収しながら、今後は、自動車船部門に戻り財務グループで得た知識や経験を還元するか、管理部門でさらに経験を積んでいくか、いずれかのキャリアに進んでいきたい。
目立たなくても社会にとって“不可欠な事業”に携わりたかった
業界・企業選びで重視していたのは、事業内容が分かりやすいこと、そして、表からは目立たないながらも社会にとって必要不可欠な事業であることの2点でした。
海運業には早くから興味を持っており、子どもの頃から好きだった北杜夫著『どくとるマンボウ航海記』がきっかけになっています。本の中に、「どんなに航空機万能の時代になっても、船の持つ偉大な輸送力は何ものにも代えることはできない。日本は四方を海に囲まれているくせに、私たちは船舶の重要性を普段はほとんど顧みもしないのだ。」という文章があります。印象に残っていたフレーズを就活で改めて思い出し、川崎汽船に結びついていきました。
当社は、少ない社員数で世界中の港から港へと船を動かしている海運会社です。スケールの大きい仕事に、一人ひとりが責任感を持って携わっている。その規模感は大きな魅力でした。説明会や選考の過程で、社員の皆さんが自由にのびのび働いている様子を感じており、その印象は入社10年以上経った今でも変わっていません。
クリアな解答のない資金調達、
最適解を求めるプロセスが面白い
現在は、銀行(金融機関)からの資金調達を担当し、折衝において事業内容説明などの開示対応に携わっています。船を造るには、数十億円~百億円以上のお金がかかります。当社はグループ全体で何百隻も運航しているため、とても自前の資金だけで船を購入することはできず、一部を金融機関からの借り入れで賄うことになります。そこで、金融機関側に対して、どのような船で、どのような荷主、航路に投入し、どれくらいの収益が見込めるのか、当社全体の今後の事業計画などを開示、説明し理解を得た上で、資金を調達します。ほかに、現在の借り入れや現預金の残高、今後のキャッシュフローの計画をもとに中期的な資金計画を作成・検証したり、金利動向を調査したりと、営業部門にいた頃とはまったく違う業務内容が新鮮で、毎日が勉強です。

資金調達の仕事は、自社の事業を客観的に見ながら、その魅力(融資先としての安全性)をアピールするもの。管理部門と営業の要素が半分ずつ混ざったような面白さがあります。お金は会社を運営していく上で必要不可欠なものですが、当然ながら、無尽蔵にたくさん借りられるわけではありません。資金調達には正解がないからこそ、日々考えを巡らせながらみんなで議論を重ね最適解を追い求めていく楽しさを感じています。
想像力を働かせて、社内外のお客様への
状況共有を心掛ける
入社以来9年間携わった自動車船事業では、海外勤務をはじめ、さまざまな経験をさせてもらいました。
2015年には、自動車船事業の欧州RHQ(地域統括会社)をロンドンからドイツのハンブルクへ移転させるプロジェクトに関わりました。当時、ロンドンオフィスでスケジュール管理やブッキングコントロール、収支管理など、サービス運営の現場部分を見ていたので、その部分の移行を担当することになったのです。ハンブルクは歴史ある港町ということもあり海事関連の経歴を持ったスタッフが多くいました。新たなオフィス立ち上げを限られた人数で進めるのは大変でしたが、常にデッドラインを意識してやるべきことの優先順位付けを徹底。何とか1年で形にすることができました。日々目まぐるしく状況が変わる海運のフィールドでは、時間の経過が事態を悪化させることもあります。結論を先送りにせず、そのとき取りうるベストな選択をできるだけ早く決断する。判断力を鍛えられた経験は、これからの仕事にも必ず生きてくるだろうと感じています。

仕事を進めるにあたり大切にしているのは、想像力です。海運は、悪天候やストライキによるスケジュール遅れ、需要が集中したことによるスペース不足などさまざまな要因で、当初の予定通りに進まないことがあります。営業部門にいたときは、状況を顧客(荷主)に説明する必要がありますが、ただ事実を伝えるだけではなかなか理解は得られません。お客様がどんな情報を求め、とれる選択肢は何か。想像力を働かせて先回りして用意しておくことで、調整がうまく進むケースが多く、今の財務グループでの仕事にも応用できると思っています。
管理部門の仕事は、社内にサービスを提供しているという見方もできます。社内に顧客がいるというマインドで想像力を働かせつつ、これからも「わかりやすい財務」を目指していきたいです。
SCHEDULE 01
SCHEDULE 02
6:15
早起きの長女・長男に起こされる。
7:45
姉弟別々の保育園へ、妻と手分けして送る。
9:00
出社。その日の予定をチェック。
10:00
金融機関と船舶向けの新規融資について面談。
11:45
ランチ。お店が混む前に手早く済ませる。
14:00
外部のWebセミナーに参加。
18:00
退社。一杯飲みたい気持ちを抑えて、家族と食卓を囲む。
6:30
子どもたちに起こされる前に起床。
7:45
怒涛の朝の準備を終え、子どもたちを保育園へ送る。
8:45
在宅勤務開始。コーヒーを淹れる余裕もある朝。
10:00
金融機関とWeb面談。
12:00
ランチ。夏はそうめん、冬は冷凍うどんで手早く済ませる。
13:00
午後いっぱいかけて融資契約書の内容をチェック。
17:30
子どもたちが保育園から帰宅。一旦終業。
21:00
子どもたちの就寝後、メールなどをざっと整理し、自分時間。
DAY OFF
オフの日の過ごしかた
独身時代は寮の美味しいご飯に甘やかされ、一切自炊をしていませんでした。しかし、妻の妊娠・出産を契機に料理に目覚め、今ではもっぱら我が家の料理担当になっています。夫婦共働きで平日はかなりバタバタしているのですが、子どもたちが帰ってすぐにご飯が食べられるように、週末に1週間分のご飯を作り置きしています。
学生のみなさんへ
就職活動は、自分がやりたいことや、今の自分を作り上げてきたものを落ち着いて考える良い機会だと思います。活動中は思い通りにいかないこともたくさんあると思いますが、自分のことを深く理解するチャンスと捉えてほしい。自分を信じることができれば、おのずと良い結果が導き出せると思います。応援しています!