機関士
一等機関士
松本 勲
先進技術グループ
入社9年目
ISAO MATSUMOTO
※所属部署・入社年次・記事内容は、取材当時のものです。
機関士の仕事
運転
機関室には船の運航に必要なメインエンジンや発電機、ボイラーをはじめ様々な機器が搭載されており、それらの運転を担当する。
保守整備・点検
船内の機器を定期的に保守整備、点検することで適切な運転を維持する。
また、機器に不具合が生じた際には知見・技術を総動員して対応する。
燃料・備品管理
運航に欠かせない燃料の管理、補給業務も重要な仕事。その他、機器の部品や工具・資材管理も行う。
性能解析
陸上勤務では性能解析などを担当。船底に汚れが付着し、燃料の消費効率が悪くならないように、掃除やペイントの改善などを行う。
CAREER
学生時代
グローバルな働き方で視野が広がる船舶職員に憧れて海運業界を目指す。
入社〜現在
2013年~2018年まで船舶機関士としてコンテナ船やLNG船に乗船。2018年からは本社で性能解析を担当。
今後
船舶の現場経験を活かし、海技者として陸上から船員をサポートし、海運業界を担う人材育成に携わりたい。
海運業界はモノで世界をつなぐ
不可欠な仕事。
高校時代から憧れの
船舶職員を目指して
高校時代に船舶職員という仕事を知り、興味を持ったことから商船系の大学に進学。就職活動は知らない業界に出会える絶好の機会と考え、さまざまな業界や職種を見てきました。その中でも海運業界は、モノを各国に運んで世界をつなぐ大切な仕事で、世の中にとって必要不可欠な業界だと実感。船上で限られた人数が業務を遂行する少数精鋭部隊である船舶職員に魅力を感じました。船舶職員は一人ひとりの業務負担が大きい傾向にありますが、与えられた業務を遂行する達成感、そして何よりもグローバルな環境で自分自身の力を試し、成長できると考えたのです。
川崎汽船に入社を決めたのは、偶然にも強い縁を感じたことがきっかけでした。幼少期から海を眺めることが好きで、その時に見た「KLINE」という赤いロゴの入ったコンテナ船に心が惹かれていたこと。そして、大学時代の乗船実習で初めて教えてもらった講師が川崎汽船の社員だったことから、この会社で働いてみたいという思いが募っていきました。
知識と技術を総動員して
不具合に対応。
何にも代えがたい
達成感が味わえるのが魅力
入社後は船舶機関士として船内機器の整備をはじめとする経験を積み、2018年からは本社で船の性能解析を担当しています。海に浮かんでいる船は美しくかっこいいものですが、海に沈んでいる船底部分は、藻やフジツボなどが付着して汚れてしまうものです。船底部分が汚れてしまうと、抵抗が増すことで必要以上の燃料を使用することになります。このロスを削減するために船の性能解析を実施して、汚れの主原因となるペイントを改善したり、掃除を行ったりという対策をしています。
船舶機関士の仕事のやりがいは、自分の持つ知識と技術をすべて駆使できること。陸上での生活では、不具合が発生した際にすぐに業者に修理を依頼できますが、船上では誰も駆けつけてはくれず、乗組員が修理しなければなりません。自分がこれまでに経験した不具合だけでなく、初めての不具合にも迅速に対処する必要があるのです。そのような時は、知識と技術を総動員して試行錯誤しながら対応。周囲のサポートも得ながら、苦労して機器の修理をやり遂げた瞬間は、大きな達成感を味わえます。
基本を大切に、安全第一。
安全な航行を実現するために
仕事のポリシーは、何ごとも基本を大切にすることです。経験を積み、機器の修理は熟知していたつもりでしたが、ある機器を何度対処しても正常に戻らなかったことがありました。最終的には上長に相談して対処法を一つひとつ実施したところ、初歩的な方法で解決することができました。このケースは基本に沿って対応していれば、もっと早く解決していたと反省。物事が上手くいかない時には一度基本を振り返り、整理した上で対応するように心がけています。
船では停止している機器の修理だけでなく、運転中の機器の修理も任されます。一瞬の気のゆるみが怪我につながってしまう危険と隣り合わせの仕事ですので、全員が怪我なく業務を遂行できることを第一に考えて行動しています。そのために、一歩先のことを予測してあらゆる危険を想定。機器に対する知識を深め、さまざまな視点から安全な対処法を検討しています。業務に対して何を求められているのかを常に考え、一人ひとりが自分で考えて行動に移すことで、安全な航行が実現できるのです。
海上勤務時
陸上勤務時
年間スケジュール
7:00
起床。
7:30
見回り。各機器運転状態異常ないか、確認。
8:00
業務内容を報告し、業務を開始。
12:00
午後に備えて腹ごしらえ!昼食内容をみんなで予想するのも楽しみの一つ。
13:00
午後の業務を開始。パワーチャージしたので、全力で作業に取り組む!
17:00
夕食を食べて、最後に翌日の作業内容の確認・書類作業。
19:30
好きなドラマ・映画を鑑賞したり、みんなで飲んだりしてリフレッシュタイム!
7:00
起床。
9:00
出社してメールチェック。その後は各案件について関係者と打ち合わせ。
12:00
同僚と昼食。
13:00
海外の方と英語で打ち合わせ。慣れない英語に一苦労・・・
19:00
退社。帰宅して子供と遊ぶ。
1~6
乗船
どこの国に寄港するのかワクワクしながらも、仕事に向けて気合いを入れて乗船。
7~9
休暇
休暇。長期休暇を利用して趣味の旅行でリフレッシュ。
10~3
乗船
心身共に休暇でリフレッシュしたら、再び乗船!
DAY OFF
オフの日の過ごしかた
休暇中は大好きなドラマを観てリフレッシュ。寄港時には現地の名物や観光を楽しんでいます。船内では乗組員全員でBBQやレクレーションゲームなどを開催し、親睦を深めるのも楽しみです。常に緊張状態にある船舶機関士は、ONとOFFの切替をしっかりして仕事に集中することが大切です。
学生のみなさんへ
就職活動は自分が知らない業種や企業に触れられる貴重な機会であり、就活生の特権でもあります。とにかくさまざまな業界や企業を見て、さまざまな方の話を聞くことを心がけてみてください。視野を広げて就職活動をすれば、自分にぴったりな企業を見つけることができるはずです。就職活動時のすべての行動に無駄はなく、将来役に立つ時がきっとあります。辛い時もあるでしょうが、前を向いて一歩一歩進んでください。皆さんとお会いできることを楽しみにしております。